本流 尺ヤマメ(尺上アマゴ) 渓流釣り
ルアー釣りの楽しさに目覚めかけたある平日、突然、ルアーが100個くらい届きました。
「げっ、なにこれ?」
うーん、たしかにホロ酔いの中、ネットでポチポチ、ルアーを見ていた気がするけれど…まぁ、買ってしまったものは仕方ない。カミさんにバレないようにしまって、心置きなく使おう、と決心したその週末、また渓流釣りに行ってきました。
このブログも渓流釣りの話ばかりでは読者のみなさんも飽き飽きだろうから、釣りの話題はよほどのニュースがあったときだけ書こう・・と思っていたんですが、ニュースがありましたので、ちょっとばかりお付き合いください。
さて、本流には超大物がいるらしいのです。
まぁ、昔から、超大物なんて縁のない僕ですから、でかいヤマメやオバケニジマス、源流の主イワナが本当にいたところで僕とは出会うチャンスなんてあるわけない、なんてことを考えながら、まぁいわば都市伝説的なもんだと思っていたのです…。
今日はそんな話。
さて、その日もいつもの渓流からスタート。
のんびりと10時頃からの入渓でしたが、朝は冷え込んでいて水温も低かったようです。
そのため各ポイントでは探るように丹念に流し込むことにしました。
やがて2つめのポイントでイワナがヒット、小さめでしたが針を飲んでいたのでおいしく頂くことにしました。(ごめんね、アワセが遅れて)
次に草の下を流すと、続いてブルックトラウトがヒット。
とてもきれいなブルックで濃い緑とオレンジの色合いに惚れ惚れ。
どちらも普段イワナ類がいるようなところではない場所で釣れました。
妙だな、と思っていると今度はヤマメがヒット。
まずまず良い型のきれいなヤマメでした。
そこまでは釣り下りでしたが、そこから反転、渓流を釣り上がりましたが、ダメでした。
太陽が出ると汗ばむほど暖かく感じたり、瀬で2回アタリがあったりと、渓流にも春の訪れを感じるようになりました。
早々に諦めて、先週と同様に本流へと大移動しました。
前日の雨にも関わらず、本流は先週と同様のコンディションでした。早速、いつの間にか届いた(?)ルアーを試してみることに。
でもルアーは難しい。数10回うってようやく当たりました。いい感じのニジマスの姿が見えた、と思ったらバラしました。ぬぬぬ、悔しい。
本当に・・ルアーはノッてからも難しい。
その後、ルアーを追って当たってくるのが見えましたが相手が失敗、結局ルアーでは釣れませんでした。
しかし、さすが先生は小さいながらもヤマメを数匹釣りました。
僕はそこでエサ釣りにスイッチ。本流用に、安いけれども新しく買った長寸の竿で挑みます(長いと重い・・)。
エサだとよくアタリます。風が少しあってアタリがとりにくい天候ではありましたが、この新しい長い竿は、意外とアタリの感触をはっきりと伝えてくれて、満足のレベルです。先生がサクッとクロカワムシを採取してくれたので、早速つけて淵に投げると、イワナがヒットしました。
この辺の本流にもイワナがいるんだな(放してるんだな)、なんてことを考えていると、やたら当たる流れをみつけました。コツコツと当たるのでヒョイと合わせるとニジマス、ヒョイと合わせるとヤマメ、とやや小粒のサカナがかかりました。それでもうれしいものです。
もちろん写真を撮ってリリースしました。
ところがハプニング発生。愛用しているソニーのデジタルカメラ「W300」のレンズ内が曇って撮影に使えなくなりました。うーん、iPhoneでは心許ないなぁ、なんて思っていると淵で良い型のヤマメがヒット。
そこで先生から電話が入って、下の方で釣っているから、適当に釣り上がってて・・とのこと。でも、川の上に枝が被るようになると長竿は取り回しが難しく、僕もそれ以上、釣り上がるのは断念して再びさっきのアタる瀬に戻ってきました。やや遠くに先生がキャストしているのが見えました。
そこでエサを流すとガツンとアタリました。アタった途端にサカナはもの凄い勢いで急流の中を走ります。竿を立てて踏ん張るのがせいいっぱい、ただならぬ予感です。
次の瞬間、水面からサカナが飛び上がり、巨体を見せてエラあらいしました。
「で・・でかい」
そのとき「はずれる!!」と直感しましたが、幸いサカナはまだかかっています。
しかし、その引きの強さからは寄せられる気がしません。
こんな感覚は初めてです。
せめてこの異常な竿のしなりを見せたい、と先生を大声で呼びますが、流れの音にかき消されてか聞こえないようです。
まだサカナは走っています。冷静に考えてみます。
仕掛は? 道糸は0.6号、ハリスは・・・れ、0.4号だ・・上流で上と横に木が被っているのを嫌ってハリスを0.4号に落としたんだった・・なんだか絶望感が漂います。
サカナは上流と下流に反転しながら走り続けるとやがて瀬の途中でピッタリととまりました。
本当にじっとしているのです。竿はしなったままです。
石の下に潜ったのか? 休んでいるのか。
数秒か数十秒か・・まるで「老人と海」のように糸で繋がったまま時間が経ちます。
僕もしばらく川の流れを音を聞いていました。
再び、僕は先生を呼びます。
ますます上げられる気はしなくなったので、どうしてもこの状況を見せたかったのです。
もはや"叫び声"になった僕の呼びかけに先生がようやく気付いて、歩き始めてくれました。
よし、ファイト再開だ。沈黙を破るため僕が竿を引くと、再びサカナは走り始めました。0.4号のハリスを考えるとこれ以上は強引に引けませんが、竿を一瞬でも延ばされれば切れてしまいます。先生が近付いてくる、もう少し・・しかし、サカナは下流に向かって走り始めました。まずい、水の流れが更に抵抗になって糸は切れやすくなります。これ以上引けない、どうする? と考えているうちにサカナは瀬の最下流まで走り、糸はプッツリと切れて、ついに竿はしなりを失いました。
茫然自失・・。
何十秒、何分、格闘していたのでしょう。
逃がしたサカナは大きいとよく言いますが、終始上げられる気がしなかったのは初めてです。
先生が「もう一度、やってみたら?」と背中を押してくれます。
僕はブドウムシを使い果たしていたのですが、先生が余っているブドウムシを貸してくれました。
実際、どんな達人でも、失敗した場合はそのイメージを残さないために、もう一度トライして成功させてからあとにする、と言います。僕も少しは見習おうと、少し気を取り直し、ハリスをさっきより太い0.6号、ハリも7号にして仕掛を組み、投げると早速かわいいヤマメが釣れました。
もしかしたらと、もう一度さっきの大物ポイント側に投げてみました。
するとまたもやアタリ、合わせるとまたもや大きな引きが・・竿は大きくしなります。
さっきの引きほどではないけれども、それでも相当なものです。
走りまくって竿を立てるのに四苦八苦…更にさっきの残像でバラすのが怖い。
引き寄せるのがせいいっぱいなので玉網を構える先生の方向に寄せました。
「やばい、玉網に入らないよ!!」と先生の声。
なんとか玉網に入ったのは鯉? と思うほどの丸々とした尺超え、33cmオーバーのアマゴでした。
やったーっ!!
逃がした後、諦めずにやってよかったーっ!!
でもiPhoneの写真ではショボイよー(汗;)。
先週に引き続き、諦めないと良いことがある、という記念日でした。
そして、更に大物は都市伝説ではなく、もしかするとまた会えるかもしれない、釣れるかもしれない、と思わせるできごとでした(笑)。
目標がまたひとつ、できました。
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