神子元ダイビングと沖縄ダイビング
■神子元ダイビングとビギナーズラック
というわけで、先週の日曜日に神子元ダイビング。
11月なのに水温23℃。透明度は20m近くある。しかも青い。
黒潮が超接近だ。
↓いつものだいたいの黒潮の位置はこの辺(9月とか)
それが11月冒頭は、"びょーん!!"
↓黒潮が伊豆半島にほとんどくっついちゃってるじゃんか。
ところで、神子元というダイビングポイントは、いつ潜ってもふたつと同じときがない海だ…と僕は思っている。
当たり前だと笑われるかも知れないが、いつも青さが、流れが、サカナや景色が、透明度が、運気が、そしてメンバーが違う。
メンバー・・
これが結構面白い。
夏のある時に一緒に潜った人、パラオでダイビングショップの手伝いをしていて、世界のあちこちで潜ったという辣腕な女性イントラ・ダイバーだった。
その女性いわく。
「パラオの海も外洋はブン流れていて難しいけれど、世界で一番難しいと思うのはここね、神子元!! 上下の流れを読むのは大変・・」
そうなのか…凄い。
海にも速い流れがある。まさに激流だ。
川の激流を思い出してもらって、だだっ広い海の中にそれが数本で流れていると思えばイメージしやすいと思う。ただ、川と違うところがふたつある。ひとつは海水を見ているだけでは遠くからは流れが見えにくいこと。もうひとつは上下に巻き込むような流れもあること。ダウンカレントとか、アップカレントとか呼ばれるやつだ。きついものは飛行機のエアポケットみたいな動きになる。女性ダイバーは上下のカレントが危険なことをよく知っているから、そのひと言が出てくるんだろう。
今回は常連の方々が一緒だった。その中にひとりだけ初めて神子元に潜るという初々しい整った顔立ちの男性ダイバーがいた。
神子元地域にはタンク30本以上の潜水経験がないと潜れないという自主制限があるのだが、30本を超えてすぐに神子元に潜りたくてやってきたそうだ。
実に初々しい。
しかし、メンバーはなんだか真っ黒な常連ばかり。真っ黒というのは肌の色ではなくてウェットスーツ。レジャーで楽しむダイビングなんだから、ダイバーのウェットスーツはピンクやブルー、オレンジといったカラフルな色合いが当たり前だ。その方が可愛いし、素敵だ。いつもはイケすかないアノ娘がスキーウェアを着るとなんだか素敵な感じ~ってな話に似たもんだ。
と・こ・ろ・が、神子元行きの船に乗船するのはやたらと黒一色のまるで「潜水士」さんのような方々が多いのだ。かわいさ▲50%、怪しさは150%増しだ。まるでダイバーの方々の方がサメっぽい。
しかも、フィンは1.5倍くらい長いし、器材はやたら機能重視。しかもしかも器材のセッティングが異常に速い。
そんな連中と海の中ではひとつのチームで行動するのだ。
しかも、その日、エントリー直前のガイドのひとことは
「今日は潮がブン流れています、潜行したらすぐに激流ですから、バディと離れないように行きましょう、いいですね」
というものだった。
常連は流れがあるという報告にニヤリ。サメとの遭遇確率が上がるからだ。
かわいそうに、まともな神経な神子元ルーキーならさぞ緊張するに違いない。
実際、帰ってきた港で本人曰く
「めちゃくちゃ緊張しました…」
うんうん、実にナイスガイだ。
実際、流れの強いところと弱いところがある。
流れの強いところでは人間の構造じゃあ、まったく太刀打ちできない。岩にしがみついてこらえるか、ガシガシつかんで進むのが精一杯だ。手を放せば、流れに任せて飛ぶしかない、飛びながら上下の浮力を調整して次の根に着底したりする。これが面白い。
ただ、神子元の場合、川と違って流れがいつも同じ方向ではない。
東京湾方向のへ流れのとき「下り潮」、相模灘方向への流れのとき「上り潮」と呼ぶ。つまり正反対に流れるのだ。日によって変わるのではなく、時間によって無作為に違う。
ガイドはこの流れを読んで、ルートを決定するのだ。
経験がいる、重要な判断に違いない。
ガイドは大変だが、僕ら連れていってもらうダイバーにとって、神子元ダイビングに必要なスキルとは、ガイドに従って、きちんとついて行くこと、それが唯一必要な技術だ。そんな潮流を読むことではない。
ところで、激流があっても流れから見て島影や根の影は流れが少ないことも多い。
特に神子元島の南側は水底数百メートルの本物の外洋だが、島周りは潜行しても南側まで、チームでまとまってフィンを蹴って移動する。この間ももちろんサメや魚を探したり、見たりしながら移動するのだが、根から根へ飛ぶように渡っていく。
このとき、南(沖)の方向に流れがある潮を「沖だし」と言う。ウインドサーフィンで言うなら「オフシォア」だ。流れに任せて飛んでいけるので、ゆるい沖だしなら楽だし、速い沖だしならスピード感があって面白い。
問題は沖の方からの流れがある「じごみ」潮のときだ。じごみ潮の場合、流れに逆らってフィンキックで南を目指して移動するのだが、これがもちろんしんどい。
フィンを蹴りながら、次の根まで飛ぶ間、少しずつ前列のダイバーと離れ始めると、置いて行かれる気持ちに陥る。どんなに自信があるダイバーでも、水中でそんな現実をつきつけられると閉塞感に襲われる。おそらく「神子元が怖い」と感じたダイバーの多くはこんな閉塞感を経験したと思う。
軽いじごみ潮と激流を前に、ナイスガイのルーキー君がこの閉塞感を感じたかどうかまでは解らないが、彼は2本目でエア消費が予定以上に速かった。予定のエアを20分で使ってしまった。しかし、ガイドとは別に最後尾のガイド・アシスタントがいて、きちんと彼のケアに当たったので全く問題はない。彼とアシスタントは浅めに深度をとって、チームは彼との距離を保ちながら、ゆっくりと中層を流した。多少、動きは制限されたかも知れないが、それとて八卦だ。
だから、チームはまったく問題なくダイビングが楽しめた。
でも、ルーキー君は港でチームのみんなに謝りに来た。
「すみませんでした、ご迷惑を掛けてしまって…ついていけなくて。
次はついて行けるように、もっと練習してきます」
うんうん、実にナイスガイだ。
謝ることはない。
即席だけど、水の中ではきみもチームの一員。次は真っ黒な格好をした五十肩のおっさんが水中でくじけているかもしれない。お互い様だ。
そしてなにより
「初めてハンマーヘッドシャーク見ました!!」
のひとこと。ナイスガイだぞ。
「初神子元で初ハンマーゲットか、ビギナーズラックだなぁ!!」
「はい、見上げる感じで、頭のカタチがハッキリと・・」
みんなが「おめでとう」と声を掛ける。
うんうん、おめでとう。
でも、いつも見られるわけじゃあないんだぞ。
ほら、その証拠に今日だって、同じチームの真ん中の列にいた常連さんの何人かは・・・なぜか、ハンマー見てないんだから。
こんな神子元の海。
どうですか。
■沖縄ダイビングとツバメウオ
話は変わって、沖縄、行きたいな。
まったりダイビングしたい。
先日、NHKでケラマの珊瑚礁がダメージを受けている、という番組(再放送)をやっていた。辛い話だ。慶良間も来年春から、座間味と渡嘉敷でダイバーの数を制限規制する、という記事が読売新聞の一面に出ていた(ダイバーからサンコ守れ(読売新聞))。
ケラマの珊瑚礁の損傷は目に余るから仕方ないのかもしれないが、辛い。
沖縄本島にも大好きなポイントがある。
真栄田岬のツバメウオだ。
奴らはでかいのに、実に人なつっこくて可愛い。
↓こんなヤツらが群れでやってくる。(ツバメウオ)
↓でかいけど可愛いツバメウオ
昨年は、沖縄の読谷にあるダイビングサービス「クーランマラン ダイビングセンター」のガイドでツバメウオたちに会うことができた。リクエストすれば、会いに連れて行ってくれるだろう。
真栄田岬もシュノーケルで賑わい、家族連れのシュノーケラーで渋滞ができる名物ポイントだ。
こんな極上の空間(水中だけど)をいつまでも残さなくてはいけない。
行きたいな、沖縄。
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